アンセルム・ライラ x アレクサンダー・フォービス Anselm Reyle x Alexander Forbes May,2013

アレクサンダー・フォーベス(F):どういった経緯で村上隆さんとのコラボレーションを始めることになったのでしょう?あなたがたは以前にも何か一緒に活動されたことはありますか?
アンセルム・ライラ(R:隆は私の作品を数年前からコレクションしていました。2008年から、私たちは互いに展覧会やアトリエを訪れるといった密な交流がありました。昨年は、彼の台北のカイカイキキギャラリーで個展を開催しました。このような繋がりや、彼のベルリン訪問を通して、隆はベルリンにギャラリーをオープンしたいと考え始めたようです。現在では私がキュレーションをした展覧会「SPECTRA VISION」を展示しているところで、展示は一部内容を変えて、東京にも巡回することになります。

F:この展覧会のキュレーションや大学で教鞭をとることは、あなたにとってのアート活動の一環と言えますか?
R:キュレーションもしくは大学で教えることを直接的には、自分の芸術的な実践であるとは思っていません。それでも、キュレーターとしては、中立的なプレゼンテーションを越える決断しなくてはならない場合があります。例えば、ルーカシュ・フアスとマイク・ルイスの作品が展示されている部屋がそうです。ルーカシュはコンピューターのケースによる彫刻や、コンピューターの基盤模様の壁紙をブラックライトで浮かびあがらせる予定でした。ソフトウェアが重要な意味を持っているマイク・ルイスのコンセプチュアルな絵画を掛け、銅版画展示室にかかっているような暗めの美術館風のスポッライトで光を当てればおもしろいだろうと思ったのです。他の作品に置き換えることのできない、大胆なインスタレーションで、かつ意義深い構成になったと思っています。

F:SPECTRA VISIONのためのどういったキュレーション的なプログラムを考えていたか教えていただけませんか?
R:展覧会のために、明確なテーマがあったわけでなく、純粋に、私の知っている、興味深い作品を制作するアーティストを選びました。振り返ってみると、全く違って見える作品の中に、パフォーマンス的な要素があるという共通点が見つかります。タブロー・ビバン的手法を使ったアレーン・ソラーリの作品では、パフォーマーが欠くことのできない構成要素となっています。実際には、目立たないものなのに、そこにあった存在感が、後には遺跡のように思い出されるというわけです。(ベルリンで展示された)J.E.オルデンドルフの絵画は、かなり大掛かりなアクション・ペインティングでできたものです。インドのVrindavanで行われたホーリー祭の人ごみの中で何も描かれていないキャンバスを掲げて作られたものです。この絵画のポジションを吟味した手法は、伝統的な取り組みというよりもむしろコンセプチュアルな手法ですが、他の多くの作品との共通点を見いだすことができます。

F:展示しているアーティストのうちの3人はハンブルク芸術大学であなたの生徒だったわけですが、他の3人はどのようにして展示に加わることになったのでしょうか?
R:教授の仕事を通して多くの若手アーティストと出会う機会があり、それが、この仕事をやる中でも、一番面白いところでもあります。もちろん、ハンブルク芸術大学の外でも面白いものが見つけられることもあるわけで、去年のベルリン芸術大学の夏の展示で、トーマス・ツィップのクラスでは、オッカ・フンガービューラーの作品を発見しました。彼女が作る立体作品が、瞬時にして見ている者に親近感を与えることには驚きました。いくつかのオブジェは動いたり、周りにいる人などに焦点に当てたりすることで人の心を動かすものを持っているのは、本当に印象的です。見ている者の、しっかりとした、中立的な立場がそれを通して無くなってしまうのです。マイク・ルイスはベルリンで Future Galleryを運営するアーティストで、そこで、とりわけ新しいメディアと関わりを持つアートを紹介しています。それはルイス自身の作品ともヤァッコ・パラスヴォの作品にも当てはまります。ヤァッコ・パラスヴォは、今年の始めに、Future Galleryで「Nu Painting」というタイトルで個展を開催し、彼の絵画はまずコンピューターのディプレイ上で生まれ、それからキャンバス上に具体化されます。

F:今回展示されているアーティストの作品が持つ「新しさ」から、苛立ちや不快感を感じたということですが、それについて
詳しく説明してもらえませんか?

R:隆から、Hidari Zingaro Berlinで若手アーティストの展覧会をキュレーションしてくれないかという話があった時に、
私にとっても「新しい」ものを見せたいという思いがありました。もちろん「全く新しい」という意味ではなくても、
どの作品にも、私の世代のアートとは全く違うエレメント、関連性考え方を含んでいて、私には馴染みがないものがあります。
例えば、多くのアーティストが、古典や伝統、工芸などに対して、デジタルな表現方法を面白みのある関係性に置き換えたりしています。パフォーマンス的なことをするアーティストも多くいます。この展示では、当たり前のごとく進みつつあるグローバル化が、どのようにアートに影響を与えたか、または与えることができるかというのが、いくつかの部分でテーマとなっています。

このインタビューは、BLOUNARTINFO.comにも掲載されました。

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